Introduction
高速広帯域アンプモジュ-ル PS-UNIT1
【拡大】最小歪率0.2ppm(0.00002%)以下、最大歪率2ppm以下(20Hz~20KHz/クリッピング出力の55%)を達成した高速広帯域アンプモジュ-ルです。FET差動カスコードブートストラップ入力→インバーテッドフォールテッド→FET/BJTダーリントン・カスコード型出力段の組み合わせで、高速1段増幅回路を構築し、ハイゲイン・高速・広帯域・優れた裸特性(アーリー効果の影響を受けない)を実現しています。更に、全段上下対称型コンプリメンタリA級プッシュプル回路により、高い電源変動抑圧比、高いスルーレートの対称性を実現しています。差動カスコード・ウィルソンカレントミラー+ FET入力ダーリントン出力段の高安定化電源回路を一体化し、電源を通じた回路間干渉を根絶します。コントロールアンプSC1000、パワーアンプSP2000の増幅回路は、このPS-UNIT1で構成されます。 詳細はこちら
バッファーアンプモジュ-ル PS-UNIT2
歪率0.5ppm(1KHz1~7Vrms)、1.7ppm(20KHz1~7Vrms)を無帰還で達成したバッファアンプモジュ-ル。インバーテッドダーリントン・カスコード型の上下対称型コンプリメンタリA級プッシュプル回路をチューニングし、究極の性能を達成しました。パワーアンプSP2000のチャンネルデバイダのアクティブフィルターは、このPS-UNIT2で構成されます。
詳細はこちら
ツインモノーラルコンストラクション
SP2000 高調波歪率 【拡大】大きなグラウンド電流をハンドリングする、ステレオパワーアンプの入力信号源を共通のグラウンドとした場合、コモンモードノイズが発生することがあります。この状態はコントロールアンプとステレオパワーアンプを接続すれば容易に起こりうることです。バランス伝送により、この雑音を低減する方法もありますが、高域では効果が低減するほか、信号経路のアンプ段数が増えて、雑音歪率が悪化してしまいます。SP2000はツインモノーラル構成で、2つのチャンネルのグラウンドは絶縁されていますから、根本的にこうした問題が発生しません。
アイドル電流安定化回路
A級アンプといえども、アイドル電流は半導体の大きな温度係数により変動します。一般的には熱暴走を防止するため、高温ではA級動作範囲が狭くして安全性を担保する傾向にあります。本機は、アイドル電流を監視してバイアス電圧を適切に制御することで、温度や経年変化の影響を受けず、安定したA級動作領域を提供します。またアイドル電流は、ヒ-トシンク温度とともにフロントパネルにモニターされます。
カスコードMOS-FET×5パラレルパワーステージ
SP2000のパワーアンプは、PS-UNIT1に、カスコードブートストラップ付きMOS-FETx5パラレル出力段を追加、3段ダーリントン構成としています。この構成は、MOSFETの入力容量の変調を抑えるとともに、電力負担を軽減し、電気的な性能が向上します。MOSFETは古典的な高速・低容量タイプで、位相補償が軽くて済み、PS-UNIT1の高速広帯域性能をスポイルしません。パラレル数が5個と同クラスにしては比較的少ないのも、入力容量を抑え、位相補償を増大させない適正値として導き出されたものです。SP2000ではSC1000よりもPS-UNIT1のクローズドループゲインが大きい上、負荷も重いので、ポールゼロ位相補償、出力段独自の位相補償を組み合わせ、主回路の位相補償を減らし、大きな帰還量と高スルーレートを確保”ppmオーダ”の低歪率を達成しました。
Technorogy
テクノロジ
A級動作範囲セレクタ/ゲインセレクタ
A級動作範囲は、フロントパネルのプッシュスイッチにより切り替えることができ、low powerモードではClassAレンジを18W程度に狭めることで、消費電力を大幅に節約します。またNF式ゲイン切替えを搭載し、11.2~20.4dBまで12段階のゲインを選択でき、ゲインを絞るほど雑音歪率で有利になります。最近のディジタルオーディオソースは出力レベルが高いので、パワーアンプのゲインは低く設定できます。
2段π型電源
PS-UNIT1、PS-UNIT2は、レギュレータにより安定した電源になっています。一方、出力段は電流が多く、レギュレータの実装は困難です。これまで、この問題はアンプ自身の電源変動抑圧比に依存していたため低雑音化に限界がありました。電源リップルを低減するため大容量のコンデンサを導入しても、巨大で短時間に流れるピーキーな充電電流により力率が低下し電源が汚染される、充電電流が回路を還流して雑音を発生させるなど他の問題が生じます。この問題に対し本機の出力段電源は、チョークコイルを使った2段π型電源としています。コンデンサインプット型に比べると、リップル・力率・突入電流の全ての面で有利です。半導体アンプにおけるチョークコイルの使用はアンプの巨大化を招くため、実現が困難でしたが、2段π型とした上で、初段と2段目の時定数の最適化やリプル電流制限などを施すなどの技法により小型化に成功しています。結果、比較的小型のトロイダルコイルであるにも関わらず、整流後の2~5次の高調波は60%、充電電流や突入電流は50%低減しています。電源容量も大きく193,800uFの平滑コンデンサ、640VAのRコアトランスを採用しています。Rコアトランスは優れたレギュレーションを示すので、トランスのサイズを過剰にしなくて済みます。
冷却
マルチチャンネルサラウンド、あるいはチャンネルデバイダを使ったマルチアンプ方式など、パワーアンプを複数使う用途において、自然空冷アンプを多数運用すると、放熱が困難になるなどのリスクがあります。また自然空冷のヒートシンクは大きく重く設置が大変です。SP2000は、大容量トンネル型ヒートシンクと、クーリングファンによる前面吸気・後方排気の強制空冷システムを導入、以下の静音対策を導入する事で、強制空冷である事を忘れるほどの低騒音を達成しました。自然空連と比較すると、約20~30%の体積削減となり、純A級40~50Wのステレオパワーアンプのサイズに収まっています。ファンはリニアアンプで制御され雑音源にならないよう考慮されています。
- チャンネルあたり168mm×84mm×400mmの大型ヒートシンクを導入、冷却気の接触面積が大きくなり、放熱効率を改善。
- ヒートシンクを筐体に直結し、MOSFET上部にも小型ヒートシンクを追加することで自然空冷効果を組み合わせる。
- ファンはチャンネルあたり80mm×2機で、極細モータによる広翼面積化とすることで、エアフローあたりの回転数を低減。
- ファンブレードにディンプルと、ウレタン加工を施す事で風切り音を低減。
- チャンネルあたり4個の温度センサ回転数制御により必要最低限のファン回転数とした。
- 吸排気チャンバに消音器を実装、更に前面下部吸気・後面下部吸気とする事で残留騒音を低減。
保護回路
主回路の歪率を悪化させないよう、高スルーレート・高駆動力の全段上下対称ダイアモンド差動アンプを導入したミラー積分型DCサーボ、DCプロテクション、サーマルプロテクション、過電流保護、パワーオンミュート、突入電流防止回路など安全性対策も充実しています。ただし、出力段の短絡保護はヒューズだけで、出力素子のミューティング機能は歪率が悪化するために除去しています。
Function
機能
チャンネルデバイダ機能
PS-UNIT2無帰還バッファによるチャンネルデバイダ機能を内蔵、スルー、ローパス、ハイパス、バンドパスなど各特性を実現できます。フィルタのカーブは-6dB/oct、-12dB/oct を使用できます。フィルタで必要なPS-UNIT2アンプ以外はバイパスされますので信号劣化も最小です。フィルタカーブやクロスオーバー(カットオフ)周波数を決定するチャンネルデバイダカードは、フロントパネル左右に装着され、簡単に交換できます。チャンネルデバイダカードはオプションで、様々な周波数・カーブをラインナップしています。工場出荷標準状態では、スルーのチャンネルデバイダカードのみが搭載され、全帯域を通過します。独立したチャンネルデバイダに比べると、入出力のバッファアンプが不要になって信号経路のアンプの段数を減らす事ができるほか、パワーアンプ毎にチャンネルデバイダが分離するので、スペースファクタやコスト面でも有利です。何よりも、音質面で有益なマルチアンプ導入のハードルが下がります。
Block diagram
Specification
製品仕様
定格出力(8Ω)
|
76W×2 (THD2-5=7ppm以下、20Hz-20KHz)
105W×2(THD2-5=1%以下、20Hz-20KHz)
|
---|---|
高調波歪率
|
※2~5次の合計
0.12W: 0.00017%(1KHz) / 0.00015%(20KHz)
0.28W: 0.00014%(1KHz) / 0.00012%(20KHz)
0.5W: 0.00014%(1KHz) / 0.00027%(20KHz)
1.1W: 0.00019%(1KHz) / 0.00022%(20KHz)
1.7W: 0.00019%(1KHz) / 0.00022%(20KHz)
3.0W: 0.00008%(1KHz) / 0.00022%(20KHz)
6.1W: 0.00008%(1KHz) / 0.00018%(20KHz)
12.5W: 0.00007%(1KHz) / 0.00022%(20KHz)
28.0W: 0.00009%(1KHz) / 0.00028%(20KHz)
38.0W: 0.00011%(1KHz) / 0.00035%(20KHz)
50.0W: 0.00013%(1KHz) / 0.00041%(20KHz)
76.0W: 0.00018%(1KHz) / 0.00062%(20KHz)
83.0W: 0.00070%(1KHz) / 0.00128%(20KHz)
100.0W: 0.0075% (1KHz) / 0.0250% (20KHz)
|
歪率検査合格基準
|
20KHz60W0.0009%以下(2~5次の合計)
|
周波数特性
|
5Hz~100KHz (-4.6dB、最大ゲイン時)
20Hz~20 KHz(-0.3dB、最大ゲイン時)
5Hz~100KHz (-2.0dB、最小ゲイン時)
20Hz~20 KHz(-0.2dB、最小ゲイン時)
|
S/N比
|
105.5dB (Aウェイト,1W換算,入力開放)
124.5dB (Aウェイト,76W換算,入力開放)
125.9dB (Aウェイト,106W換算,入力開放)
|
ゲイン
|
20.4dB、19.9dB、19.3dB、18.7dB、18.0dB、17.4dB、16.5dB、15.7dB、14.8dB、13.8dB、12.6dB、11.2dB ※合計12段切り替え
|
入力インピーダンス
|
21.1KΩ±0.074%
|
負荷インピーダンス
|
2~16Ω(推奨6~8Ω) ※高性能を維持するには4Ω以上のスピーカーを選んでください。
|
ダンピングファクター
|
800 (8Ω負荷)
|
電源
|
690W(電気用品安全法)
160W(稼動時low-powerモード)
4W(待機電力)
|
外形寸法
|
幅475.6 × 高209.0 × 奥行523.5mm ※ボリュームノブ・ジャック突出部分含まず
|
重量
|
38.3Kg
|
※歪率、雑音の測定はlow-powerモードoff、ゲイン11.2dB
FAQ
かなり熱くなりますが大丈夫でしょうか?
SP2000はA級動作範囲が18W(low-powerモード)/76W(normalモード)ですが、normalモードで長時間運用すると、かなり高温になります。十分放熱できる環境を作ってください。冷却気はフロントからリア流れますがリアに高温の空気がたまりすぎると放熱に支障をきたす場合があります。また通常はlow-powerモードで十分です。
どこの国の製品ですか?
弊社はPureSpeed製品を企画・開発・製造するメーカーです。輸入ブランドではありません。